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三和油化工業・柳均社長「ものづくりの力で産廃に価値を付加」 - 日経BP

聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

産業廃棄物を扱いながら、製造業としての側面も持つ独自のポジションで事業を展開する。環境負荷の低減や限りある資源の有効利用に注力するとともに、女性活躍を推進する。

事業内容を聞かせてください。

柳 均(やなぎ・ひとし)

柳 均(やなぎ・ひとし)

三和油化工業 代表取締役社長
1999年東海大学工学部卒業後、三和油化工業入社。2005年取締役経営企画室長、同年北陸先端科学技術大学院大学修士課程修了、08年常務取締役、10年専務取締役、12年より現職。20年北陸先端科学技術大学院大学客員教授(写真:上野 英和)

柳 均 氏(以下、敬称略) 一般的な産業廃棄物処理業者は「産廃を処分する」ことで収益を得ていますが、自動車産業が盛んな愛知県で機械に使う油剤製品の製造・販売から始まった当社は、「産廃を価値あるものへ再資源化」することを追求しています。創業時からのものづくりの精神が、現在のコア事業であるリユース、リサイクル、化学品事業の基盤になっています。

 リユース事業は、回収した廃棄物を新品に近い品質の再生製品にして販売します。リサイクル事業は、廃油や廃溶剤などを再生燃料などに再資源化しています。石油や石炭を燃料とするセメントや鉄鋼、石灰メーカーなど脱炭素が求められている業界からの需要が高まっています。化学品事業は、電子材料の製造技術を生かし、国内では調達が容易ではない半導体やリチウムイオン電池向けの電子材料を供給しています。

産廃のリサイクル会社であり、メーカーでもある立ち位置は、事業を展開する上でどんな利点がありますか。

メーカーの側面を生かし、産廃の再資源化から有効利用までを物流や品質保証を含めて一気通貫で行なうため、サーキュラーエコノミー(循環経済)を実現できます。

 顧客は東京証券取引所プライム市場に上場している環境意識が高い大手企業が多く、サステナブルな材料でのものづくりをしています。顧客にとっては高価な輸入原料より、当社の再生材を使用する方が低コストの上、環境負荷の低減にも貢献できます。当社としても安定的な収益基盤を構築できますし、資源の国内循環を促進できます。

取引先にはどんなメリットがあるのでしょうか。

山陰地方の大手電子部品メーカーでは、電子材料の製造工程で発生する大量の洗浄廃液が問題となっていました。そこで同地域の当社協力会社に技術提供し、再資源化する取り組みを進めています。地産地消型のため、顧客の運送コストや運送時のCO₂排出抑制に寄与しています。

 再資源化工程で発生するCO₂の可視化にも取り組んでいます。新品材料に比べて当社の再生材がどれだけCO₂削減に貢献できるのかを数値化し、その優位性を明確にできるように、外部のコンサルティングを受けながら準備を急いでいます。

今後、事業エリアをどう拡大していきますか。

現在は中日本の本社エリアと東日本、西日本の国内3拠点体制で、本社エリアの顧客が約7割を占めています。当社は幅広い地域で廃棄物の収集運搬許可を保有しており、全国での収集運搬が可能なので、顧客開拓や業務提携を拡充し、本社エリアとそれ以外の比率を1対1にして収益力の強化を図ります。

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