しかも、クレドールのリピーターは買おうと思っても、そう簡単に買える時計ではないのである。購入するのは、世界中の名だたるコレクターばかり。頑張って裕福になっても、社会的に出世しても、なお手が届かないのは、秀吉と織田家の姫君の関係にそっくりではないか。
天下を制した秀吉は、茶器も女性も、望むがまま手にできるようになった。となると、彼は若い頃に買えなかったセイコーの高級品、しかもその頂点と言えるクレドールのリピーターを早速手にしたに違いない。かつて憧れていた、織田家の姫君たちを側室に迎えたように、だ。
正直、願望を満たして以降の秀吉は、まったく精彩を欠くようになった。しかし夢を満たすために動いていた時代の彼は、常に颯爽とした印象を与える。「年月を心にかけし吉野山花のさかりを今日みつるかな」。若い頃の夢は、やはり果たすべきと筆者は思う。
広田雅将
時計専門誌 『クロノス日本版』編集長
1974年生まれ、大阪府出身。時計ジャーナリスト。『クロノス日本版』編集長。大学卒業後、サラリーマンなどを経て2005年から現職に。国内外の時計専門誌・一般誌などに執筆多数。時計メーカーや販売店向けなどにも講演を数多く行う。ドイツの時計賞『ウォッチスターズ』審査員でもある。
文・広田雅将 編集・神谷 晃(GQ)
ILLUSTRATION by OSUSHI MUROKI
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