青空が広がった6日の日本列島。海外からも多くの人が訪れる一方、今月、水際が緩和された中国からの旅行客はほとんど戻っていない状況です。観光地・浅草を取材すると、かつての「爆買い」とは異なる新たな現象が起きていました。
■絶景、スカイツリーと桜“共演”
スカイツリーの真下に咲くのは、河津桜です。今週は全国的に暖かく、「GW並み」の暖かさになるところもあり、もう春本番です。
横浜からきた観光客:「5年前から、毎年撮りに来ています」
日本人がワクワクするスカイツリーと桜の“共演”。外国人観光客にはどう映っているのでしょうか。
リトアニアから:「最高です。本当に素晴らしいです」
インバウンド需要の回復で、観光業にも春が訪れつつあります。
■なぜ“緩和”も戻らぬ中国人観光客
春を感じられる場所が増えてきました。「東京スカイツリー」でも、今月から春のイベントがスタート。
そんななか、目立つのは外国人の姿です。
東京スカイツリータウン広報事務局・松谷みずほさん:「(1月は)約2割の比率で、外国人のお客様にいらしていただいてます。コロナ前は約3割のお客様が外国のお客様でしたので、徐々に回復傾向にはある」
ただ、コロナ前と違う点が…。アジアからの旅行客。
観光客:「(Q.どこの国から来た)シンガポールから来ました」「(Q.どこの国から来た)台湾から来ました」
10組以上に声をかけましたが、中国本土からの旅行客は見当たりませんでした。今年1月の中国からの訪日数は2019年と比べてマイナス95.9%も激減。アジアの中で突出しています。
インバウンド需要のさらなる加速は、中国人観光客が戻ってくるかにかかっています。
先週、中国からの渡航者に対する水際対策を緩和した日本。
しかし、いまだ「航空代金が高止まり」していること、中国政府が「日本団体観光旅行」を解禁していないことなどから、中国人の戻りを実感できる状況ではありません。
■浅草 欧米の人気追い風で“満室”
外国人に人気のホテルでも、かつては中国人の姿が当たり前でした。それが、6日は…。ホテルの食事会場は外国人観光客で満席になっています。
ノルウェーから:「(宿泊は)6回目です」「(Q.6回?)毎年ここに来るのを楽しみにしています」
トルコから:「口コミが良かったし、スタッフがとても親切で、富士急ハイランドのチケットを予約してくれた」
こちらのホテルは「フレンドリーな接客」で口コミが広がり、人気が拡大。中国からの旅行客に頼らずとも週末は「満室」の日が続いています。
一方、ふぐ料理のお店では…。“かつての爆買いとは”正反対の現象が…。
■人気ふぐ店で見えた“新現象”とは
東京・浅草にある、「とらふぐ」が食べられる飲食店。海外では、ふぐを滅多に食べられないとあって、外国人からの人気も絶大です。
コロナ前の平日は、中国人客が7割を超える日もありました。それが6日はやはり、中国本土からの旅行客は見掛けませんでした。
客数自体は中国以外の観光客が増えた分、元に戻りつつあるといいます。しかし、コロナ前とは“明らかな違い”が。
この日、台湾から来た3人組。
店員:「ふぐの皮のから揚げです。シェアできます」
ふぐ料理のお店で、彼らが口にしたふぐは、皮のからあげのみ。
台湾から:「ベリースペシャル。チューイングガムみたい」
その後、うな重を頼んでいました。“爆買い”ならぬ“爆食い”する中国人が多く来たころと比べると、ふぐを「日本文化の体験」と捉える外国人が増え、1人前を複数でシェアするなど、客単価が低下しているといいます。
玄品浅草女将・吉田明子さん:「コロナ前は“爆買い”とも言われていたように、天然(ふぐ)など高価なものを、求められる人が多かった」
“爆食い中国人”にも期待するのが本音です。
玄品浅草女将・吉田明子さん:「中国の方は今でも日本に求めるもの、高価なものとか、おいしいものを求めるというのはこれからも変わらないと思うので、来ていただければと」
観光地が待ちわびるインバウンドの“満開”は、いつになるのでしょうか。
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