2020年03月22日21時31分
新型コロナウイルスの影響を受け、無観客での開催となった大相撲春場所は２２日、千秋楽を迎え、異例の１５日間が無事に終わった。協会員に一人でも感染者が出たら中止という難局を、日本相撲協会は乗り切った。
感染防止に細心の注意を払った。協会員全員は１日２回、朝と夜に検温し、３７．５度以上の発熱があれば、鏡山危機管理部長（元関脇多賀竜）への連絡を徹底。各部屋の宿舎と会場のエディオンアリーナ大阪の間は若い衆でさえ車移動のみとし、外部との接触機会を極力減らす。報道陣の取材エリアも限定し、感染リスクの管理を心掛けた。
若手力士に続き、幕内千代丸も高熱を出して８日目から休んだ。ＰＣＲ検査の結果、陰性だった千代丸は回復して再出場したが、最悪の事態も想定。その都度、隔離の指示も出し、マスクや消毒液が不足していた部屋に手配した。「理事長をはじめ、気が休まる日はなかった」とは春場所担当部長の高島親方（元関脇高望山）。その結果、発熱した力士が所属する部屋の中で体調不良者が続出するのは避けられた。
世界的に感染が広がる中、集団生活の相撲部屋、数百人の協会員が会場を出入りする状況を踏まえれば、全日程の消化は厳しいとの見方もあった。力士会長を務める横綱鶴竜は「始まったら、途中で中止になってほしくない気持ちがあった。今は無事に終わってよかった」と胸をなで下ろす。
千秋楽の弓取り式後、幕内力士を従えた八角理事長（元横綱北勝海）は「過酷な状況下で立派に土俵を務めあげてくれた全力士、全協会員を誇りに思う」とあいさつ。口ぶりに実感がこもった。 
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March 22, 2020 at 07:38PM
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相撲協会、難局乗り切る 理事長「全協会員を誇りに」―無観客の春場所 - 時事通信ニュース
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