住友金属鉱山は、「炭化ケイ素(SiC)」基板の開発と量産を強化する方針を明らかにした。完全子会社のサイコックス(東京・港)が現在口径6インチの基板を製造・販売しているが、2024年3月までに、8インチのSiC基板の開発ラインを鹿児島県の工場に完成させる。2025年には、6インチと8インチ合わせて月産1万枚を目指すという。
SiCはパワー半導体の材料の1つで、国内外で研究開発が進められている。現在主流のシリコン(Si)を用いたパワーデバイスよりも、損失を低減できたり周辺部品を小型化できたりする。太陽光発電システムやハイエンド電気自動車(EV)のインバーターなどで一部採用実績があるが、大規模な普及には至っていない。デバイスの値段がSiの約3倍と高価なことが足かせになっている。
サイコックスは、通常のSiC基板とは異なる構造を持つ「貼り合わせSiC基板」という基板を製造販売する。通常のSiC基板は「単結晶SiC」という高価な材料のみで構成されるが、この貼り合わせSiC基板は、単結晶SiCを必要最小限しか用いず、「多結晶SiC」という安価な材料を多く用いることで、材料費を削減する。ただし、現在の6インチ基板の販売価格は約10万円/枚と、他社製と同程度。今後の生産スケールの拡大により、「他社製よりも安価に提供できる」(住友金属鉱山)見通しという。
性能面では、「多結晶は単結晶よりも抵抗が低い」(住友金属鉱山)ことから、チップ面積の削減につながるという。サイコックスでは、貼り合わせSiC基板に最適化された単結晶と多結晶のSiCの材料を外部から調達し、それを基に貼り合わせSiC基板を製造して外販する。
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