「この子が16歳?」
少年相談センターの相談員をしていた妻の
想像を超える身なりに面食らったが、髪を切って黒く戻し、爪も切る約束で雇うことにした。営業部長で裁量が委ねられていたこともあり、社長には「得意先のお嬢ちゃん」と説明した。
少女は多くの非行少年と違って、裕福な家庭に育った。父親は上場企業の部長。鍵付きの2階の自室には固定電話が引かれ、トイレもテレビもあった。
ただ、思春期になって親に暴力を振るうようになり、シンナー遊びもひどくなった。両親は世間体ばかり気にして娘と真っ向から向き合っているようには見えず、「血肉を分けた娘の何を怖がるんですか!」と強く指摘したこともあった。
採用してからも、少女は頻繁に職場から姿を消した。公園で男友達とたばこを吸ったり、暴走族のリーダーとシンナーを吸いながら無免許運転をして補導されたりと、大変なことが続いた。
ある時、しょんぼりと青い顔をしてトイレ掃除をしていたので事情を聞くと「生理が来ない」とつぶやく。親に話すように促すと、「自殺する」と嫌がった。やむなく少女と共に本人のおばに相談すると、「この子はかわいがられるばかりで、親のおもちゃになってしまっている」と涙を流した。
「子どもたちはみんな寂しい。ゆっくり話を聴いてあげて」。ことあるごとに宜子さんから聞かされ、少女と同じ目線に立って信頼関係を築いてきた。次第に、親に相談できない悩みも聞けるようになった。
少女は素直で
「この人は自分の味方だと信じた時、子どもたちはぐんぐん心を開いてくれる。きっかけがあれば変わっていくことを、彼女から学びました」
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