中国ではここ数年、たくさんの日本料理店が雨後の竹の子のように次々オープンし、大きな通りから裏通りまでどこにでも店がある。サーモン数切れにホッキ貝などが入った刺身の盛り合わせ1皿98元(約1900円)、生きたウナギをその場でさばく蒲焼き1枚198元(約3800円)、すき焼きは1人前228元(約4300円)……ごくシンプルな日本料理が、なぜこんなに高いのだろうか。
調査して次のようなことがわかった。北京で最も値段の高い日本料理店は客単価が4500元(約8万5000円)を超える。重慶では客単価が1000元(約1万9000円)以上のレストラン8軒のうち、日本料理店が5軒を数える。武漢の平均消費額上位10レストランのうち、日本料理店は8つを占め、客単価は1200元(約2万3000円)以上になる。
デリバリープラットホーム・美団が発表した「中国飲食ビッグデータ2021」によると、2019年と20年の日本料理店の平均客単価はそれぞれ101.4元と100.3元(約2000円)で、すべての飲食ジャンルの中でトップクラスだった。
福建省泉州市の日本料理店の蔡店長の説明によると、日本料理は冷たいものが多く、使用する生鮮食品も多いため、鮮度保持の要求が高く、コールドチェーンへの依存度が高い。店の中には海外から直接食材を輸入するところもあり、サーモンや和牛などを輸入している。こうした食材はもともと価格が高い上に、輸送コストも加わって、最終的な料理の値段がどうなるかは推して知るべしだという。
蔡さんは、「日本料理は板前の技術への依存度も高く、板前は厳しい修行を積むことが必要なので、人件費が他のジャンルよりも高い。このほか、よい雰囲気で食事ができるようにするため、日本料理店は接客や盛り付けにも工夫を凝らしている」と続けた。
華東政法大学経済法学院の任超(レン・チャオ)教授によると、日本料理店の価格設定が高いのは、その位置づけとも関係がある。一部の高級日本料理店はターゲットを高級志向の消費者に定めており、大衆路線ではないという。
専門家は、「食材調達のコスト、保存のコスト、人件費などの要因を考えると、日本料理の価格が高いことには一定の理由がある。しかし合理的、合法的な範囲の高さかどうか、食品監督管理当局は関連の飲食企業に対する監督と抜き打ち検査を強化して、健全な食品の安全管理制度を打ち立てるよう監督・促進すべきだ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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