エアバスのビジネスジェット「ACJ TwoTwenty」のキングベッド。
Adrien Daste/Airbus
- エアバスは2023年10月16日、コーポレートジェット「ACJ TwoTwenty」を公開した。
- この飛行機は、その大きさから「超大型ビジネスジェット」として販売されている。
- ACJ TwoTwentyのキャビン、航続距離、運航コストは競合するビジネスジェットに匹敵するものだ。
ヨーロッパの航空機メーカー、エアバス(Airbus)のプライベートジェット部門が、最新ビジネスジェットであるACJ TwoTwenty(AJC 220)の豪華なキャビンを公開した。
このVIP機をエアバス・コーポレートジェット(Airbus Corporate Jet)が初めて発表したのは3年前だった。同社はこの航空機を「超大型ビジネスジェット(Xtra Large Bizjet)」として販売している。
同社は、競争力のある価格帯を維持しながら、この新しいビジネスジェットの優れたキャパシティ、航続距離、そして運航コストを強調するため、新しい市場セグメントを創り出した。
2023年10月16日、ラスベガスで開催されたビジネスジェット展示会「ナショナル・ビジネス・アビエーション・アソシエーション・コンベンション・アンド・エキシビション(NBACE)」でACJ 220が一般公開された
2023年5月、飛行するACJ220。初飛行は2021年12月だった。
Airbus
ビジネスジェット展示会のNBACEは毎年開催されており、ビジネスジェットを製造する企業が飛行機や製品を披露する舞台となっている。
ショーで展示された特別な航空機は、2023年春にファイブホテルズアンドリゾーツ(FIVE Hotels and Resorts)に納入されたものだ
ファイブホテルズアンドリゾーツに納入されたACJ 220。
Michael Angst/Airbus
ドバイを拠点とする高級ホテルグループのFIVEは、VIP機を利用して、さらに高級なサービスを提供するホスピタリティプランを拡大していく予定だ。
FIVEとエアバスは今回この飛行機の豪華なキャビンを初めて披露した。
今回新たに導入されたのは、エアバスの「A220-100」をベースにビジネスジェット仕様にしたモデルだ
複数の世界的な航空会社がエアバスA220-100およびA220-300を運航している。
Delta Air Lines
デルタ航空(Delta Air Lines)、ジェットブルー航空(JetBlue Airways)、ブリーズエアウェイズ(Breeze Airways)などの航空会社がこの旅客機を購入している。
ACJ 220の航続距離は6500マイル(約1万469km)と姉妹機のそれをはるかに上回る
ACJ 220のコックピット。
Adrien Daste/Airbus
エアバスによると、A220は約4000マイル(約6437km)をノンストップで運航可能で、アメリカを横断する路線に人気があるという。
これはロサンゼルスからロンドン、ニューヨークからイスタンブールといった大陸間のフライトも可能だということを意味している
ACJ 220のカウチ。
Adrien Daste/Airbus
長距離路線では、アメリカのプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)のGeared Turbofan(GTF)PW1500Gエンジンを2基搭載している。
ACJ 220の性能は、ガルフストリームG700(Gulfstream G700)やボンバルディア・グローバル7500(Bombardier Global 7500)のような大型の専用機にも匹敵するものだ
カタール航空は2023年6月、新型の「ガルフストリーム G700」を初公開した。
Qatar Airways
これらの超長距離ビジネスジェットは、いずれも約9000マイル(約1万4484km)をノンストップで飛ぶことができ、カタール航空(Qatar Airways)グループの高級プライベートジェットチャーター部門カタール・エグゼクティブ(Qatar Airways Executive)やプライベート・チャーター会社のビスタジェット(VistaJet)などが使用している。
大型ビジネスジェットはより遠くまで飛行できるが、通常、床面積は少ない。その点では、ACJ 220は他社のものよりも優位に立っているという
ACJ 220のメインラウンジ。
Adrien Daste/Airbus
エアバスによると、ACJは他の大型プライベートジェットと「同様の大きさと駐機スペース」で同じ空港から離陸できるように設計されているという。
具体的には、786平方フィート(約73平方メートル)のキャビンは他の大型ビジネスジェットと比べて最大3倍ものスペースがある
ACJ 220のメインラウンジ。
Adrien Daste/Airbus
ガルフストリームG700の床面積は約415平方フィート(約38.5平方メートル)で、このカテゴリーで最大のキャビン面積を誇るボンバルディアグローバル7500(Global7500)でも450平方フィート(約41.8平方メートル)強だ。
ACJ 220のキャパシティは大きいものの、運用コストは大型長距離プライベートジェットよりも少ないとエアバスは見積もっている
ACJ220のギャレー。
Adrien Daste/Airbus
航空ニュースサイトのシンプル・フライング(Simple Flying)によると、エアバスの北米法人担当のバイスプレジデント、ショーン・マガフ(Sean McGeough)は、エアバスのメンテナンス施設のインフラと大規模なスペアパーツネットワークに言及し、ACJ 220の運用コストは、他の大型ビジネスジェットの3分の2になると述べている。
ライバルの大型機にも負けない価格になると予想されている
ビスタジェットのボンバルディア・グローバル7500。
Dominick Gravel/VistaJet
「ACJ 220は、ビジネス航空市場のゲームチェンジャーになるだろう」とマガフは話す。
「比類のないキャビン空間、大陸間を飛行できる航続距離、最新鋭のアメニティ、そして低価格というユニークな組み合わせを、このビジネスジェットは提供する」
ビジネスジェットトラベラー(Business Jet Traveler)の記事によると、ACJ 220の完成機を購入するには約1億ドル(150億円)が必要だという
ACJ 220のメインラウンジ。
Adrien Daste/Airbus
この見積価格は、7800万ドル(約117億円)のガルフストリームG700や7500万ドル(約112億円)のグローバル7500よりも高い。
そのキャビンは高価なだけあって豪華で、オフィス、シャワー付きのマスターベッドルーム、巨大なフラットスクリーンテレビなどのオプションも用意されている
ACJ220のキングベッド。
Adrien Daste/Airbus
スイスのVIP向け航空機カスタマイズ会社コムラックス(Comlux)はエアバスと提携し、インディアナポリスにある同社の施設でACJ 220のVIP向けインテリアを担当した。
タッチレス・ウィンドーシェードや高速Wi-Fiなど、ハイテクノロジーのシステムも提供される
ACJ 220のメインラウンジ。
Adrien Daste/Airbus
さらに、コックピットには先進システムが搭載されており、都市部や難易度の高い空港でも「ACJ 220なら問題なくこなせる」という。
2023年のNBACEではアメニティが展示されていたが、エアバスはオプションを用意しており、購入先の要望に合わせキャビンをカスタマイズすることも可能だ
ACJ TwoTwentyのシャワー付きバスルーム。
Adrien Daste/Airbus
ACJ TwoTwentyのキャビンのインテリア「シグネチャー・アンビエンス」は、タイムレス(Timeless)、アバンギャルド(Avant-Garde)、クインテッセンス(Quintessence)の3種と、アーティストのシリル・コンゴ(Cyril Kongo)による特別仕様がある。
一方、フランス人アーティストのシリル・コンゴ(Cyril Kongo)が手掛けた特別仕様のキャビンはコレクションに彩りを添えている
シリル・コンゴが手掛けたラウンジ。
Airbus
デザイナーであり、グラフィティ・アーティスト(落書き芸術家)でもあるシリル・コンゴは、鮮やかな色彩、魅惑的なパターン、ユニークな質感やファブリックを使って「キャビンのデザインを次のレベルの感動へと導いている」。
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