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1990年代、若い女性たちが自分の給料で「高価な時計」が買えた ... - 女子SPA!

わたし史上最高のおしゃれになる!』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。

最初の時計は中学入学のときに…

ショーウィンドウの高級時計

かつては高価で、大切に使うものだった腕時計だが…
※画像はイメージです(以下同じ)

 今ではとんでもなく安いものもある腕時計ですが、私が中高生のころは、腕時計はそれなりの価格で、一つを大切に使うものだったと記憶しています。  私が最初に買ってもらったのは、SEIKOの皮革バンドの腕時計でした。金属バンドの質感と見た目がどうにも苦手なため、少ない選択肢の中から気に入ったネイビーの革バンドの白いフェイスの腕時計を見つけて買ってもらいました。  中学校入学のときに初めて買ってもらったちょっと高価な腕時計ですが、着用すると、裏ぶたの金属部分が当たった肌が丸い形でうっすら赤くかぶれます。どうやら金属アレルギーのようでした。  それに気づいてからの私の腕時計の使い方は、ポケットに入れて登校、授業中は机の上、移動のときには再びポケットへ入れるという、およそ腕時計らしからぬものへとなりました。  案の定、そんなことを繰り返していたら、せっかく買ってもらった腕時計は約3年で、どこかで紛失するはめになりました。次はなくさないようにと、再びSEIKOの、前より少し大き目のフェイスの革バンドの腕時計を買ってもらいましたが、着用するとやはり肌が赤くなります。  再びポケットへ入れて登校ということを繰り返していたら、また3年ほどしたころに腕時計は突然姿を消しました。懲りずに全く同じ時計を再度買ってもらい、なくさないように極めて注意したにもかかわらず、文化服装学院の学生のころに再び腕時計をなくしました。

高い時計をしていると時間の価値も変わる?

 スマホがまだない時代、腕時計がないと時間はわかりません。もう高い時計は買えない。しかし幸いなことに、そのころには手軽な価格の時計が売り出されていたため、次は低価格のカシオのデジタルウォッチを使うことにしました。  それは確かペラという名前の、黒いプラスチックの軽いデジタルウォッチでした。いつものように腕時計をポケットに入れたり出したりしていたにもかかわらず、これが全くなくなりません。なぜか以前のもののように肌が赤くならなかったため、腕に着用する時間がふえたせいもあるでしょう。扱いが雑だったにもかかわらず、この時計を紛失することはないのです。
女性の腕で輝く高級時計

高い時計をしていると時間の価値も変わる?

 そんなころ、大学時代の友達同士で集まる機会がありました。時は1990年代。総合職で就職した友達たちは、やれパリ出張でルイ・ヴィトンのバッグを買ってきたとか、ロンドンでバーバリーのトレンチコートを買ってきたなど、とても景気がいいのです。  その中の一人、外資系企業に就職した友達の手首に、何やら重厚な腕時計がきらめいていることに私は気づきました。後で調べたところ、それは有名なブランドのかなり高額な時計だということがわかりました。  友達がしていた時計の値段を知ったとき、私はふと思いました。高い時計をしていると時間の価値も変わるのだろうか、と。

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