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近所使いに絞って低価格、三菱自「eKクロスEV」…装備も充実の軽自動車 - 読売新聞オンライン

 三菱自動車の軽電気自動車(EV)「eKクロスEV」に試乗した。主に買い物や家族の送り迎えといった近距離の移動が中心という軽自動車の利用方法に着目。思い切って高価な電池の容量を抑えることでEVとしては200万円台という低価格を実現した。価格などが評価され、年1万台の販売目標を上回るペースの売れ行きだという。

 日産自動車の軽EV「サクラ」とともに6月に発売した。ともに日産が開発を手がけ、三菱自の水島製作所(岡山県倉敷市)で生産する。サイズやモーターなどの基本性能は同じだが、日産が全く新しい名称で売り出したのとは異なり、三菱自は軽ワゴン車の定番モデル「eK」シリーズとして販売している。

 実際に試乗してみると、ガソリンの軽自動車と変わらない広さがある。電池を床下の最適な位置にレイアウトしたというのもうなずける。また、車高が高めのワゴンタイプなので、乗り降りもしやすい。

 アクセルを踏んで、発進する。初期のEVは、回生ブレーキの効き目が強く、アクセルの踏み具合を弱めるとすぐに減速するクルマもあったが、「eKクロスEV」の場合はそういった急減速はなく、ガソリン車のような感覚で運転できる。ドライブモードは三つから選べるのだが、ECOモードにした場合、回生ブレーキを感じる場面は少ない。高速道路で一定速度を出した後、アクセルペダルを踏むのをやめても減速はかなり緩やかで、確かに燃費(電費)に配慮しているといえそうだ。

 車体下部に電池が敷き詰められているため、低重心で走行安定性は増している。車高が高めのワゴンタイプの場合、走行中に強い横風を受けた時などに、走りがふらつく懸念があるのだが、そういう現象はまったくなかった。

 また、装備も充実している。カーテンエアバックに加え、脚の保護効果が期待できるニーエアバックなど七つのエアバックに加え、障害物を検知し、衝突の危険があると警告音でドライバーに注意を促すパーキングセンサーなどを標準装備。オプションとなるが、自動の駐車機能「マイパイロット パーキング」を初めて導入している。

 ただ、今回の試乗車の屋根部分にメーカーオプションのルーフレールがついていて、高速道路の走行時にやや風切り音があった。とはいえ、一般道では感じなかったし、ここ最近は他社製品も含め、EV試乗が続いていたため、わずかな音に気づいたのかもしれず、神経質になる必要はない。

 荷室については、軽自動車としては容量は大きいものの、大きな荷物を積む場合は後部座席を倒して積む。このため、前席と比べ、後席のクッション性能はやや劣り、長距離ドライブで座り続けるのは少しつらいかもしれない。

 国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金を利用した場合、販売価格239.8万円のスタンダードモデル「G」(オプションなし)は諸費用込みで192.4万円で購入できる。ガソリン車モデル「M」が同154.3万円なので、やや価格は高めながら比較的手が届きやすいといえるのでないか。価格が高い電池を搭載しつつ、販売価格を抑え、日常使いの軽自動車という特性を生かした商品性は評価できる。

 1回の充電で走れる距離は180キロ。買い物や家族の送り迎えなどで使う軽自動車の走行距離は平均1日20~30キロといわれるので、日常使いには全く問題ない。ただ、ドライブで高速道路を使う際、ご注意いただきたい点がある。EVの走行台数が増えてきたためか、平日の試乗だったが、サービスエリアで充電待ちする体験をした。このクルマは電池容量が少ない分、早めの充電を心掛けた方が良いと感じた。(デジタル編集部 松崎恵三)

【仕様・主要諸元】
 ▼全長・全幅・全高(ミリ) 3395・1475・1655
 ▼最高出力(kW)     47
 ▼バッテリー容量(kWh)  20
 ▼価格 293.26万円(ハイグレードモデル「P」の場合、オプションは除く)

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