ファミ通.com編集部のつくね伯爵は悩んでいた。新作ゲームを快適な環境でプレイしたいけど、最新のゲーム機を手に入れるのは難しい……。悩んだ末にぼそりとつぶやいた。
「そろそろゲーミングPC、買おうか」と。
ゲーム機と比べると高価なゲーミングPC。しかし最新最高峰なグラフィックが描く世界を体感できるだけのハイパフォーマンスなモデルなら、オフィスワークやクリエイティブワークだって楽にこなせてしまう。
加えて、PC用ゲームプラットフォームのセールや無料配布が非常に魅力的だ。Steamは定期的にセールを開催しており、直近のサマーセールでは今年発売された『Ghostwire: Tokyo』が50％OFFの4389円になっていた（終了済み）。
Epic Games Storeでは週に1本無料で作品を配信しており、過去には『グランド・セフト・オートV』（4850円）、『仁王 Complete Edition』（6380円）なども対象だった。毎週逃さずゲットできればかなりお得なのは間違いない。
「もしかして、ゲームのお得感だけで元がとれちゃうんじゃない？」
※価格は［税込］
完成度が高いクールなノートPC
そんな気持ちを抱きながらお借りしたのがOMEN 16。日本HPのゲーミングPCのうち、ハイエンドラインとなるOMENシリーズのノートPCだ。OMEN16にはパフォーマンスモデルやハイパフォーマンスモデルなど数種類あるが、本稿ではおもにパフォーマンスモデルについて紹介する。
PCの頭脳ともいわれる重要なパーツであるCPUは、第11世代インテル Core i7-11800Hプロセッサーを搭載。
3Dグラフィックスを描写する上で重要な役割を果たすGPUは、ミドルグレードながらパワフルな能力で評価の高いRTX 3060 Laptopを搭載。メモリはあらかじめ8GB×2＝16GBが使用されており、ストレージは512GB SSD。快適な操作感を約束してくれる。
OMEN 16のご購入はHP公式オンラインストアで
グラフィックを映し出すディスプレイは、スタンダードなモデルと比較して一回り大きな16.1インチ。ダイナミックな映像表現を思う存分楽しめるサイズだ。液晶はIPSパネルで明るさは300nits。全域にわたって色調やコントラストの変化が少なく、sRGBカバー率100%だから白飛びも黒つぶれも控えめで見やすい。
解像度はフルHD（1920×1080）。ゲーミングギアとして重要なリフレッシュレートは144Hz。この数値は1秒間に144コマというきめ細やかさでゲーム中の各シーンが映し出されることを意味している。FPSで急に後ろを振り返ったときや、高速にスクロールするときなど、動きの多いシチュエーションでも滑らかに描写する。それこそマウスポインタの動きを見ているだけでも、ふつうのノートPCとは段違いのヌルヌル感が気持ちいい！
ゲームや動画を楽しむために忘れてはならないスピーカーも問題ない。オーディオ界のハイブランドといえるBang & Olufsen製のデュアルスピーカーから、迫力あるサウンドが飛び出してくる。ボイスチャットで使えるマイクもデュアルタイプで、ノイズは控えめに声をしっかりと捉えてくれる。
クールな雰囲気のシャドウブラックボディだが、キーボードのバックライトイルミネーションはRGBに光るゲーミング仕様。ストロークは薄型ノートPCのように浅めではあるものの、力をかけると真下にストンと落ちて“ボタンを押した”と脳が認識してくれるもの。WASDキーを始めとしたキーをゲーム操作のために多用するゲーミングノートPCのキーボードとして良質な作りだ。
ボディ周囲を見渡すと、背面および右側面に大きな排気口が備わっている。特に背面は左右4箇所のスリットがあり、おもにこの部分から内部の熱を排出していくことがわかる。
ゲーム以外の利用を考えている人にとってうれしいSDカードスロットも装備。5Gbpsの転送速度に対応したUSB Type-Aは計3ポート、40Gbps対応のUSB Type-Cは1ポート。ほかにも有線LANポート、Mini DisplayPort、HDMI 2.1ポート、ヘッドフォン出力／マイク入力コンボポートも備えている。ポートが足りないと悩むことはないはずだ。
バッテリー駆動時間は最大5時間30分で、45分で50％の容量を充電できる急速充電機能も備えている。端子まわりはフルスペックといえる豪華装備でありながら、16インチ級ゲーミングノートPCとしては比較的軽量な約2.31kgの重量でまとまっている。
ぶっちゃけて言おう。ハードウェアとして見たときの完成度、めちゃくちゃ高いぞ！
しかしゲーミングノートPCたるもの、実際にゲームで遊んだときの快適性をチェックしなければ正しい見極めができない。
そこで『ELDEN RING』（フロム・ソフトウェア）、『モンスターハンターライズ』（カプコン）、『PUBG: BATTLEGROUNDS』（KRAFTON）をプレイしてフレームレートを確認してみた。
『ELDEN RING』はOMEN 16で選べる最高解像度でもサクサク
『ELDEN RING』は2022年2月25日にリリースされたアクションRPG。広大なオープンフィールドや、プレイスタイルを自由に選べるカスタマイズ性などで多くのゲーマーを虜にしている。本作を快適な環境でプレイしたいから最新のゲーム機やゲーミングPCがほしいという読者も多いだろう。
フルHD表示、品質設定は最高でプレイすると50fps前後だった。『ELDEN RING』は近年のゲームのなかでも細かな描写が多く、GPUへの負荷が高いというのにこのスコアはすごい。
参考までに、解像度を1360x768ピクセルに下げたところ、常時安定して60fps表示となったた。ボイスチャット機能も備わっているから、他プレーヤーを召喚して協力プレイをする際は極力負荷が減るように、中解像度くらいの設定でプレイしたい。
HDMIケーブルでテレビに接続してゲームパッドで操作。というおなじみの家庭用ゲーム機のような遊びかたもできる。
『モンスターハンターライズ』安定の100フレ前後。マウス＆キーボード操作で快適狩猟
『モンスターハンターライズ』はさまざまな武器を手にモンスターを狩猟するアクションゲームで、指示した方向へと飛びハンターを引き寄せてくれる“翔蟲（かけりむし）”などの新要素が採用されている。2022年1月13日にリリースされたSteam版は、グラフィック詳細設定で”高解像度テクスチャ”などのほか、“レンズ歪み”や“被写体深度（DOF）”といった機能が用意されている。それらの機能をすべて有効／効果を強く設定して検証してみた。
里クエストをひと通りプレイしたのだが、“ウルクスス”や“オサイズチ”といった複数の大型モンスターが登場するシーンでも、100fps前後で安定。描写によるストレスはゼロ。いつまでも狩り続けられると思えるほど快適だった。
ライトボウガンでのプレイであればマウスでエイムできるので、狙った箇所に射撃しやすかった。また、キーボードのF1〜F4と数字キーでアイテムの使用やアイテムの調合がサッとできるのはかなり便利。
2022年6月30日に発売した超大型拡張コンテンツ『モンスターハンターライズ：サンブレイク』もPCの美麗なグラフィックとサクサク操作で楽しめる。
『PUBG: BATTLEGROUNDS』はPCの限界値に近づく最高144フレ
『PUBG: BATTLEGROUNDS』は2017年リリースのバトルロイヤルゲーム人気の火付け役的シューティングゲームだ。7月13日には新マップ“DESTON”が実装されるなどアップデートが続いている。
解像度はフルHDで、細かな設定のことごとくをウルトラ／有効にするといったヘビーウェイトな設定でプレイした。輸送機に乗る前にプレイヤーが集いまくるウェイティングシーンで計測したところ、93〜100fpsの間をいったりきたりするスコアとなった。
プレイフィールドに降り立ってからは同時に描写されるユーザー数が激減するため、フレームレートが一気に上昇。128〜144fpsとなり、より快適かつ滑らかな表示となった。って、OMEN 16の最高リフレッシュレート144Hz（144fps）に到達しているじゃないか！ PCでFPSをプレイすると、エイム精度を高められるマウスとキーボード操作で“ドン勝”を目指すことができる。
高負荷なクリエイティブもサクッとこなせる実力
せっかくゲーミングPCを購入するなら、ゲームをプレイするだけでなくゲーム配信やプレイ動画を編集してアップロードしたいという読者も少なくないだろう。
なのでクリエイティブワーク時の実力を確かめてみた。動画編集ソフトのAdobe Premiere Proを用いて、デジカメで撮影した4K 30pの動画ファイルを組み合わせて5分の動画を作ってみた。
ファイルを並べてカット編集しているときの、体感できる待ち時間はほとんどなし。肝心のレンダリングも1分7秒49で終わった。RTX3060 Laptopによるアクセラレーション（加速）が効いている実感がある。
これだけのパワーがあるなら、ゲーム配信やプレイ動画の編集も快適に実行できるだろう。ビジネスシーンでは、ウェブブラウザーでたくさんタブを開いたり、ビデオ会議をしながらオフィスアプリを使ったり、バレないようにゲームをしても（？）快適間違いなしだ。
ゲームもビジネスもハイパフォーマンスでいこう！
最新AAAタイトルゲームによし。クリエイティブワークによし。仕事によし。なんでも快適にこなせるOMEN 16は、ゲーミングPCの枠組みを超えるマルチなスキルを持つ、頼れるノートPCだ。毎日持ち歩くPCとして考えるとやや重いけど、それでもいつでもどこでも、このハイパフォーマンスの恩恵を受けられるノートPCとしてのメリットは大きい。
今回レビューしたパフォーマンスモデルは残念ながら記事執筆中に人気で完売。現在は最新の第12世代Core i7-12700Hを搭載したモデルが販売中。こちらは今回レビューしたモデルよりもさらにパワーアップしているのでぜひチェックしてほしい。
OMEN 16でPCゲームデビューして、新作ゲームを快適にプレイしよう。そして、Steamの大型セールやEpic Games Storeの無料配布を大いに活用して、PCゲーマーならではのお得なゲーム生活を送ってみよう。
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