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Field of View:オリンピックは誰のため? 酷暑対策でマラソン札幌移転 東京開催決定から7年⑪ - 毎日新聞 - 毎日新聞

 関係者は一様に「寝耳に水」と驚いた。2019年10月16日、国際オリンピック委員会(IOC)が突然、暑さ対策でマラソンと競歩の会場を札幌に移す案を発表したからだ。

東京オリンピックのマラソン発着点の大通公園を視察する国際オリンピック委員会や世界陸連の関係者ら=札幌市中央区で2019年12月14日午前10時28分、貝塚太一撮影

 「大会の華」であるマラソンの開催地を東京オリンピック開幕約9カ月前に動かす前代未聞の構想。19年11月1日の調整委員会で、東京都の小池百合子知事は「合意なき決定」と残念そうな表情を浮かべた。

 移転のきっかけは、19年9~10月に中東カタールの首都ドーハで行われた陸上の世界選手権だった。暑さ対策で異例の深夜レースになったが、気温30度超、湿度70%超で女子マラソンは出場68人中、大会史上最多の28人が途中棄権した。IOCは、選手が次々と倒れて運ばれるシーンが東京で再現されることを恐れ、これまで一度も表立って議論されたことのない札幌移転を決めたのだ。

 ドーハのレース後、「東京の気候の方が楽」と話す選手がいた。現地で取材した記者も同感だ。棄権者の一部は翌月に開かれた賞金大会に参加しており、陸上関係者は「早めに諦め、次に切り替えるための棄権もあった。ドーハを理由にした移転は理解できない」と不満を語る。

 選手のために暑い時期を避ける理由なら、開催自体を真夏以外にすべきだ。しかし、IOCは五輪に絡む収益の8割を放映権料に依存し、欧米の人気プロスポーツと時期が重複しない7~8月から開催時期を動かせない。暑さで選手が倒れることをIOCが恐れた背景には、テレビ映りへの配慮もあった。

 五輪は誰のためにあるのか。その原点を問いかける出来事だった。【小林悠太】

毎日新聞東京本社運動部。1983年、埼玉県生まれ。2006年入社。甲府支局、西部運動課を経て、16年から東京本社運動部。リオデジャネイロ五輪を現地取材した。バドミントン、陸上、バレーボールなどを担当。学生時代、184センチの身長を生かそうとバレーに熱中。幼稚園児の長男、次男とバレーのパスをするのが目下の夢。

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April 10, 2020 at 02:00PM
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