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マラソン松田瑞生が流した尊い涙(時事通信) - Yahoo!ニュース

逃げた夢舞台の切符

 東京五輪女子マラソン代表の「最後の1人」に最も近い存在だった。1月の大阪国際女子を日本歴代6位(当時)の2時間21分47秒で制した松田瑞生(ダイハツ)。つかみかけた夢舞台の権利を失ってからわずか4日後。3月12日に福島県郡山市内で行われた五輪代表記者会見に、補欠2番手の立場で出席した。複雑な思いを抱えながらも、「代表候補」として日本代表チームのために参加。24歳の尊い姿だった。

【写真】大阪国際女子マラソンで優勝し、母の明美さん、山中美和子監督と喜ぶ松田瑞生

◇心の整理つかず、こみ上げた思い

 胸の内にしまった悔しさ、無念さは計り知れない。隣の席には3月8日の名古屋ウィメンズで日本歴代4位、日本人国内最高記録となる2時間20分29秒をマークして優勝し、残り1枠の五輪代表を勝ち取った一山麻緒(ワコール)が座った。その横には大阪薫英女学院高時代の1年後輩で、昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で1位になって代表を決めた前田穂南(天満屋)がいた。五輪に向けてスタートを切る華やかな日。松田も「ワンチーム」で戦うことが求められ、代表に万一のことがあった場合に備えて出場する準備をしなければいけない。
 そんなことは頭では分かっていても、心が追いつかない。松田は自身の気持ちを押し殺し、五輪への意気込みを語る代表選手の言葉を聞いていた。自分の番になると、淡々と言葉を並べた。「内定とはなりませんでしたが、内定した選手に恥じぬように行動していきたい」「内定した選手と同じ気持ちで最後まで戦っていきたい」
 会見が始まって約15分がたち、今後の目標を問われた時だった。「正直なところ、まだ気持ちの整理がついていないので…」。もう限界だった。こらえていたものがぐっとこみ上げ、大粒の涙が頬をこぼれ落ちる。うつむいて20秒ほど言葉を詰まらせた後、「再スタートを…切れるぐらい気持ちの整理と、しっかり体を整えてからまたチャレンジしたいと思います」と絞り出した。

◇「ごめん、行けんかった」

 2017年夏にマラソンの東京五輪代表選考レースが始まってからMGCまでの2年余りで、日本人最速の2時間22分23秒を記録したのが松田だった。優勝候補に挙がったMGCは、練習の疲労が抜けきらず4位。「もう無理」と一度は諦めかけたが、家族や周囲の励ましを受けて再挑戦を決意した。1カ月で1300キロの過酷な走り込みをこなして大阪国際に臨み、自身の記録が基準となった設定記録を上回って鮮やかに復活を遂げた。
 表向きは強気に振る舞うが、実はとても繊細な心の持ち主。最後の代表選考レースとなる名古屋ウィメンズの前は、不安であまり眠れなかったという。結果を待つ身で迎えた3月8日。家族らとテレビ観戦したレースで一山に記録を破られ、晴れ舞台に立つ夢はかなわなかった。
 「ごめん、行けんかった」。山中美和子ダイハツ監督のスマートフォンに、松田からLINE(ライン)でメッセージが届いた。再起へ導いてくれた監督を五輪へ連れて行って恩返ししたかった。山中監督は電話をかけ、「謝ることじゃないじゃん」と声をかけた。五輪に向けては後半の落ち込みを課題として強化に取り組む予定だった。30キロ以降でペースアップした一山のレースはまさに目指す走りだった。

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March 17, 2020 at 05:06AM
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