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<女子マラソン・五輪最終バトル>池満綾乃『遅咲きのシンデレラ』驚異の成長で五輪切符狙う - 中日スポーツ

名古屋ウィメンズマラソンに向け調整する池満綾乃

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◇3・8名古屋ウィメンズマラソン出場有力選手

 東京五輪女子マラソン代表の最終選考会を兼ねる名古屋ウィメンズマラソン(中日新聞社など主催)が8日にナゴヤドーム発着で行われる。今大会では日本人1位かつ、1月の大阪国際女子マラソンで松田瑞生(ダイハツ)が記録した2時間21分47秒を切った選手が3枠目の代表切符を得られる。泣いても笑っても五輪へのラストチャレンジ。高いハードルに挑む、有力選手を紹介する。

 池満綾乃(28)=鹿児島銀行=はマラソン転向で人生が変わった。高校時代は南九州大会の800メートルで8位。地元の実業団に進んだ後もトラック種目で日の丸とは無縁だった。入社8年目を迎える2017年春、池満は立迫奈津子監督(47)に「10年で区切りをつけたい」と告げた。返ってきた言葉は「だったらマラソンやってみたら」。遅咲きストーリーがここから始まった。

 長い距離を走るのは嫌いだった。「気は進まなかった。やらないで引退するより、原点に返るつもりでやってみようと思った」と池満は明かす。マラソンに向けた練習を始めた当初は、単に2時間走り続けることも満足にできなかった。立迫監督は「最初は(疲れで)ふらふら蛇行して。終わったらしゃがみ込んで泣いていた」

 池満は自分をマラソンランナーへと我慢強く変えていった。「もともとまじめに練習するタイプじゃない。疲れたと思ったら補強(筋トレ)で済ませたり。速い選手を見て、マメに練習するようになっていった」。時間を見つけて走り込み、距離へのアレルギーを克服していった。

 成長スピードは周囲の想像を超えていた。2度目のマラソンとなった18年名古屋は記録を5分縮め2時間31分21秒でフィニッシュ。19年名古屋では自己ベストを再び5分縮め2時間26分7秒を出した。「トラックよりマラソンの方が可能性が広がると、そう思えるようになった」。確かな自信も芽生えた。

 初めての大舞台となった昨秋の世界選手権は体調不良にも苦しみ途中棄権したが、リベンジへの意欲が池満を再起へと突き動かした。1月には強豪・天満屋の高地合宿に単身参加して心身を磨いた。2月の実業団ハーフマラソンでは1時間9分16秒の自己ベストをたたき出した。

 迎える3度目の名古屋。東京五輪の切符を得るには2時間21分47秒切りが求められる。立迫監督は「今回も5分縮めればちょうど21分台。突拍子もない目標ではく、根拠があって狙っていけるところまできている」。代表争いでは「大穴」とみられている。雑草ランナーがどんでん返しを見せるか。

▼池満綾乃(いけみつ・あやの)1991(平成3)年4月18日生まれ、鹿児島市出身の28歳。162センチ、48キロ。鹿児島情報高から2010年に鹿児島銀行へ。18年大阪で初マラソン。19年名古屋で自己ベストを5分余り更新する2時間26分7秒を記録した。9月の五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)は出場を辞退し、世界選手権(ドーハ)に出場(途中棄権)した。

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March 06, 2020 at 10:05PM
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