2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は19日、五輪マラソン(女子8月8日、男子9日)のコースを「変則3周」とすることで世界陸連の承認を得たと発表した。札幌市中心の大通公園を発着とし、北海道マラソンのコースをベースに1周目を約20キロ、2、3周目は約10キロコースを走る。もう1つの課題点だった同時期開催のイベント問題について「さっぽろ大通公園ビアガーデン」の面積は縮小せず、五輪マラソン、競歩と共存開催する方向で調整していることが分かった。

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五輪コースは北海道マラソンがベースとなっており、難所、見どころなど重複する点は多い。同大会のテレビ中継を担当するプログラムディレクターの吉見諭氏(42=北海道文化放送)に解説してもらった。

スタート直後の大通り公園2周までは平たんだが、その後8キロ過ぎまで上りで、そこから13キロ地点まで緩やかに下っていく。吉見氏は「コース唯一の上り、下りで(6キロ過ぎから)坂が少し強い山がある」。高低差でいうと8キロで25メートル上り、以後5キロで30メートル下る格好。13キロ過ぎからはほぼ平たんなコースだけに、ここまでが1つ目のポイントだ。

次に重要なのは北大内部。北海道マラソンは36キロ過ぎから1度通過するだけだが、五輪では3度走る。「森に入るので日陰もあるし(涼しくて)元気になるところ」というメリットと、道幅が大きくない上に「結構カーブがある」デメリットも。北海道マラソンではジグザグのコースで仕掛ける選手も多いが、集団で走っている場合は特にコース取りに気を遣いそうだ。

コース全体の印象としては観光スポットがズラリ。「テレビ塔はもちろん、ススキノや緑豊かな中島公園、壮大な豊平川。クラーク博士像がある北大は(構内で)1番きれいなところを通る」。生観戦はもちろん映像を通して堪能できそうだ。【浅水友輝】