過去最多タイとなる4度目の「正力松太郎賞」を受賞したソフトバンク工藤公康監督(56)が13日、宮崎市内のホテルで受賞会見に臨み、球団、選手、コーチ、スタッフらに感謝の言葉を表した。4度目の受賞は、ソフトバンク王貞治球団会長に並ぶ最多タイで、2年連続受賞はイチロー(94、95年)に次いで史上2人目。監督として2年連続は史上初となった。

工藤監督 選手、コーチ、スタッフの人たちがいないとできない日本一でした。ケガの予防だったり、選手がベストコンディションで臨めるように全力を尽くしてくれた。今、ここに座っている人間は、みんなの代表としてお話しさせてもらっていると思っています。

この日はくしくも、秋季キャンプ休日でスタッフら裏方さんたちをねぎらう意味でゴルフ会を行い、夜は食事会で1年をねぎらった。

王会長の受賞回数に並んだことには「うれしいのひとことです。身が引き締まる思いです。まだまだ足りないものが多いので、王会長に少しでも近づきたいと思っています」と恐縮していた。

リーグ優勝は逃したが、クライマックスシリーズ(CS)では楽天に1敗後に6連勝して楽天、西武を撃破すると、日本シリーズでは巨人相手に4連勝して3年連続日本一。第4戦ではベテラン2000安打の内川をスタメンから外すなどの「鬼采配」もあり、ポストシーズン10連勝と短期決戦の強さを見せつけた。

監督就任5年目で4度目の日本一。現役の西武時代に3連覇を達成しており、選手と監督で3連覇経験は工藤監督しかいない。日本シリーズは昨年第3戦から8連勝中で史上3人目のタイ記録。監督としてのシリーズ通算は16勝4敗1分けの勝率8割。

工藤監督 スタッフがデータを分析し、それをコーチが理解し、選手も理解してできたこと。来年こそは必ずリーグ優勝できるように、また選手、スタッフとともに頑張りたい。

名誉ある賞の受賞にも、さらにある高みを目指す決意を口にしていた。【浦田由紀夫】