アロ・ヨガ(Alo Yoga)といえば、一般的にレギンスやスポーツブラのイメージが強いが、創業16年のこのブランドは2014年から話題のシェルパコートやジャケットを作っている。ウェブサイトでは専用の「シェルパ・ショップ(Sherpa Shop)」を展開しており、フリース生地を使った33種類の商品を紹介している。このカテゴリーのエントリー商品は88ドル(約1万3160円)のマイクロシェルパのオフデューティキャップ、もっとも高価なアイテムは298ドル(約4万4570円)のオーバーサイズのシェルパトレンチである。
今年、アロ・ヨガはこのカテゴリーにさらに投資している。10月には、ビバリーヒルズの旗艦店に隣接して臨時の「コート・ショップ」をオープンした。店内の壁は壁紙の代わりにブランドのフリース生地で覆われている。オープンを記念して、インフルエンサーのためのイベントと、もっとも忠実な買い物客のためのイベントのふたつが催された。
このカテゴリーの成長について、アロのマーケティング&クリエイティブのエグゼクティブバイスプレジデント、サマー・ナセウィッチ氏は、「(シェルパのカテゴリーでは)フォクシーシェルパ(Foxy Sherpa)で有名になった」と話す。これは298ドル(約4万4570円)のボンバースタイルである。「顧客がさらに多くのシェルパを求めていることをすぐに把握したので、ほかのシルエットにも拡大していった」。フォクシーとトレンチは定番のベストセラーだ。2021年から2022年にかけて、シェルパ・フランチャイズの売り上げは55%伸びた。
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生活のさまざまな場面で共感できるブランドに
このトレンチは長年にわたってメディアにも多く登場している。たとえば、2021年9月の『インスタイル(InStyle)』の見出しは、「昨年、セレブリティとTwitterのあいだで話題騒然のテディコートーーついに復活」とあり、2021年10月には『セブンティーン(Seventeen)』が「ケンダル・ジェンナーのテディジャケットは秋にぴったりーーいまなら買える」と書いている。
ナセウィッチ氏いわく、アロはつねに「スタジオからストリートまで」の選択肢を顧客に提供することを目指してきた。シェルパだけでなく、より広範なアウターウェアカテゴリーが成功しているのは、生活のさまざまな場面で顧客の共感を呼ぶブランドだからだという。10月にラグジュアリーコレクションのアロ・アトリエ(Alo Atelier)のローンチがうまくいったのもそのおかげだ。TikTok上では値段の高さに衝撃を受けていた顧客もいたものの、同コレクションのアイテムはブランドのeコマースサイト上ではほぼすべて「在庫僅少」となっている。
「どのカテゴリーに進出しても成功してきた」とナセウィッチ氏は言う。「夜の外出でも、職場からヨガクラスへの移動でも、あるいはスウェット姿でただリビングルームでくつろいでいるときも、人はアロを着たいと思う。それは着心地のよさであり、アロはつねにトレンドを先取りしているという安心感のようなものがあるからだ。したがってどの製品カテゴリーに進出しても、それはトレンドに沿ったものであり、顧客が求めているものと一致している」。アロの創業者でCEOのダニー・ハリス氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)に対し、2022年にブランドの売上が10億ドル(約1496億円)を突破したと語った。2023年の数字については同ブランドはコメントを避けた。
つまりアロを着ることで、ブランドが伝えている価値観に共鳴し、それに沿った生活を送っていると示すことができる。それがアロの成功の一因だとナセウィッチ氏は言う。「アロはウェルネスライフスタイルだ。人々はそれに共鳴し、共感する」。
また一部の顧客は、自分の服装全体でそのメッセージを伝えたいと思っている。「スタジオからストリートまで着用できるアウターウェアが求められているニューヨークで、こうした足場を築いてきた。(私たちの)アウターウェアは、単なるアウトドアブランドやラグジュアリーブランドではなく、ライフスタイルや精神にマッチしている」。
最近勢いを増すシェルパコレクション
2021年、ケンダル・ジェンナー氏がブランドの顔となり、シェルパを着て撮影されたことも大いに貢献した。いくつかのイメージでは、ジェンナー氏はマリブのビーチで下に何も着ていない。「(それは)とてもドリーミーで、とてもアロらしいものだった。空、大地、海を象徴していた。また、ケンダル自身がウェルネスを深く実践していることで知られているので、(このマーケティング自体が買い物客と)結びついている」とナセウィッチ氏は語った。
ブランドのアーンドメディアバリュー(EMV)を測定するクリエイターIQ(Creator IQ)によると、2023年1月から2023年10月までに、アロ・ヨガは2億6620万ドル(約398億円)のEMVを獲得している。そのうちのシェルパへのメンションの割合は比較的小さく、21万ドル(約3139万円)強だった。アロ・ヨガはインスタグラムに330万人のフォロワーがいる。「シェルパのラインナップに関する会話は、アロ・ヨガの1年間の全EMVのうち比較的小さな割合を牽引してきたが、ここ数カ月では『シェルパ』に関する言及が増加傾向にあり、コレクションの勢いが増していることを示している」と、クリエイターIQのリサーチ&インサイト・ディレクター、アレクサンダー・ラウィッツ氏は述べている。
アロのビバリーヒルズにシェルパのショップをオープンしたのは、スペースをすでに所有していたこともあって、ブランドにとって大きな投資ではなかった。これは「セレンディピティ」な状況だった、とナセウィッチ氏は言う。同ブランドは、ニューヨークのロックフェラーセンターなど、他の店舗にもシェルパのショップ・イン・ショップをオープンしている。
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[原文:Glossy Pop Newsletter: How Alo’s Sherpa became a cult-favorite franchise]
SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)
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