【電気工事】
森電設工業
代表・森達也さん(36・徳島市出身)
さまざまな現場で働く職人さんに必要不可欠な腰道具。ドライバーやペンチ、ニッパーなど、作業に必要な工具を腰元のベルトや袋にセットして持ち運ぶ。電気工事士である森さんの腰道具は一味違う。黒地のベルトに赤と金の金具が交互に掛かり、その先にガラス革の腰袋が艶めく。「これはKNICKS(ニックス)というメーカーの腰袋。見習い時代に『これを着けるのが職人のステータス』と聞いてからずっと憧れていたんです」。一般的な腰袋と比べてかなり高価なニックス。その輝きは、職人としての覚悟の表れなのだ。
高校の建築科を卒業後、プレカット工場での勤務を経て電気工事の道へ進んだ森さん。さまざまな親方のもとで経験を積み、どんな現場でも通用する幅広いスキルを磨いた。現在、メインで行うのは新築の電気配線工事。「一緒に家づくりをする大工さんや後のリフォームに携わる職人さんが、最小限の手間でスムーズに作業できるように」という思いやりから、電気線をフックでまとめたり部屋ごとに回路を作ったり、美しくわかりやすい配線を心掛ける。
冒頭の腰袋は、3年前、事業を株式会社にするタイミングで思い切って一式揃えたもの。なかにはオーダーメイドで作ったパーツや道具もある。そのこだわりやディティールをInstagramやYouTubeで発信するようになり、ニックスを愛用する全国の職人たちとの交流がスタートした。「水道や板金など異なる業種の職人さんもいる。みんな、道具だけでなく仕事に対するこだわりも強くて、いつも刺激を受けています」。現在、作業用品専門店のオープンを目指して準備中。工具の販売やカスタムの受注、さらには職人と施主をつなぐ建築マッチングサービスの提供を行う予定だ。「職人さんが集まって、情報交換や交流ができる拠点としても整えたい。建築業界全体を盛り上げたいです!」。
>>森電設工業
徳島市南庄町5-19-15
088-661-2545
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