韓国ソウルの自宅から旅行をしようと、レンタカーをインターネット検索していて、以前から気になっていた車を見つけた。今夏、日本の乗用車市場に12年ぶりに再進出した、韓国の自動車大手「現代自動車」の電気自動車(EV)「IONIQ5」。早速借りて、試乗ルポに出かけた。(ソウル支局・相坂穣、写真も)
◆イメージキャラクターのBTSの聖地までドライブ
ソウル駅前のレンタカーの営業所で出合った車の第一印象は、新しさと懐かしさが同居していた。最先端の技術が導入されたスポーツタイプ多目的車(SUV)だが、1970年代に現代が韓国初の国産車として発売した「ポニー」の角張ったボディーやライトのイメージを踏襲しているという。
大型ディスプレーのカーナビゲーションで、ソウルから東へ約250キロの江原道江陵市の日本海沿いのある地点を目的地に設定した。世界的に人気のKポップグループ「BTS(防弾少年団)」がアルバムのジャケットを撮影した「BTSバス停」がある。BTSはIONIQのイメージキャラクターとしても起用された。
◆スムーズに加速、ロボットの一部になったよう
いざ、アクセルを踏んで出発すると、走行音も振動もなく、スムーズに加速する独特な走り心地に引き込まれた。高速道路を日本と反対の左ハンドルで走るのは慣れないが、スピードの超過や車線の逸脱、周囲の車や歩行者、障害物の存在などを感知するセンサーや人工知能(AI)が連動し、警告音などで危険を予測して知らせてくる。
これまでに運転してきたどの車とも違い、例えるなら自分がロボットの一部に組み込まれたような不思議な感覚を味わう。約3時間で「BTSバス停」に到着。韓国のアイドルファンらが「聖地」などで撮る「認証ショット」と呼ばれる記念写真にならい、車とバス停を絡めて撮影してきた。
◆15分で30%以上充電、料金も安く
帰路、もうひとつ課題があった。レンタカーのスタッフから「走り方にもよるが、100%の充電で走行可能な距離の目安は400キロ」と説明を受けていた。往復の合計走行距離は500キロ超で、一度は充電が必要だ。電源の残量が50%を下回ったところで、警告表示が出た。カーナビで近くの高速サービスエリアにある充電スタンドを探した。
無人の施設でタッチパネル式の機械により車種や年式を選択し、何%分の充電をするかを入力する。充電時間もある程度かかると聞いていたが、新型の急速充電装置でわずか15分ほどで、30%分の充電が完了した。
IONIQ5は、標準グレードでも479万円と高価な車だが、レンタル料金は24時間で1万5000円ほどと手頃だった。しかも、充電料金も1500円以内で済んだ。似たサイズのガソリン車なら、数倍の燃料費がかかるだろう。
日本で果たして売れるだろうか。現代が2000年代に日本に初進出した際は、高性能の日本車のライバルにはなり得なかった。
だが、携帯電話がスマートフォンになって、サムスン電子など韓国製がガラパゴス携帯を圧倒したように、EV時代になって現代自動車が存在感を増すのではないか。IONIQ5は国産メーカーにとって、強敵になる可能性がある。
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