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ウクライナは木製のデコイを使ってロシアの高価なミサイルを浪費させている - GIGAZINE(ギガジン)

メモ

by Kārlis Dambrāns

2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は6カ月が経過してもなお続いており、二国間のみならず世界中に影響を及ぼしています。ワシントン・ポストが伝えるところによると、ウクライナは木製のデコイ(おとり)を使ってロシアの長距離巡航ミサイルをいくつか無駄撃ちさせたようです。

Ukraine tricks Russia into wasting bombs to destroy decoy ‘artillery’ - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/world/2022/08/30/ukraine-russia-himars-decoy-artillery/


ウクライナの政府高官によると、ウクライナ軍はアメリカから供与された高機動ロケット砲システム「HIMARS」のデコイを作り上げ、少なくとも10発の巡航ミサイルを引きつけることに成功したとのこと。デコイは木で造られているものの、ウクライナを偵察する無人航空機を通して見た場合は本物との見分けが付かないことがあるとされています。

アメリカの国防当局によると、ロシアの精密誘導ミサイルの備蓄は少なくなっており、アメリカのチップ輸出規制により弾薬の補充がかなり困難な状態にあるとのこと。デコイの使用には、ロシアにミサイルを無駄撃ちさせて弾薬を消耗させること、ロシアの前線をHIMARSの射程範囲外まで後退させることという2つの利点があるそうです。

by Just Click's With A Camera

アメリカは開戦以来16基のHIMARSを供与しており、80km先という距離を狙える能力をウクライナに与えたことで「戦況を変えた」とも評されています。ロシアはたびたびHIMARSの撃破を報告していますが、アメリカ国防相は「アメリカが提供したHIMARSはすべて現存確認済みである」と反論しています。

ワシントン・ポストは「これまで報告されていなかったロケットシステムのデコイの使用は、規模・装備ともに勝る敵に対抗するための非対称戦術の1つである」と指摘。ウクライナは今回のデコイ戦術に加え、工作員によるロシア占領地の鉄道や電線、武器庫の爆破、協力者と思われる人物の暗殺などを繰り広げているとのこと。ウクライナ当局は「自国軍はより大きな敵に対抗するために型破りの戦術に頼るしかなかった」と述べたと伝えられています。

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