世界に感動や影響を与えた英ＢＢＣの「１００ Ｗｏｍｅｎ（１００人の女性）」に昨年、立命館大４年で女子相撲選手の今日和（こんひより）さん（２２）が選ばれた。日本の女性では、乳がん闘病記をブログで発信し続け、３年前に亡くなった小林麻央さんや、元プロテニス選手の伊達公子さんらに続く選出だ。４月に社会人選手として再出発する今さんに、これまでの歩みや女子相撲への思いなどを聞いた。（紙谷あかり）
◆ ◆
――相撲を始めたきっかけは。
私の出身地は青森県鰺ケ沢（あじがさわ）町。学校の行事で相撲大会があるぐらい、めっちゃ相撲どころです。兄が相撲道場に通っていて、女子も３分の１ぐらいいました。兄の帰りを待つついでに、小学１年のころから、道場で相撲をするようになりました。稽古に行ったらほめてもらえるのがうれしくて。体が大きかったので、男子が相手でも、地元の大会ではほとんど勝っていました。
中学や高校に進むと、女子が出られない大会が増えました。やめてしまう人も多くいました。でも、男子に交じって必死に稽古し、年に１、２回、全国大会に出場しました。世界大会に初めて出たのは１７歳の時。重量級で優勝し、団体でも優勝しました。
――立命館大に進学した理由は。
大学では相撲をやめ、勉強を頑張ろうと思っていました。でも、立命館大の相撲部の監督に声をかけてもらい、国際関係学部に進みました。大学の監督やコーチは、引っ張るというより、後押ししてくれる存在でした。指導の質が変わり、人間としても成長させてもらいました。
大学３年のゼミ合宿でラオスに行ったつながりで、昨年７月に首都ビエンチャンで相撲教室もしました。幼稚園や小学生の子どもたち３００人ぐらいに「相撲って知ってる？」って聞いたら、みんな「はーい」って。トレーニング方法を聞いたら、四股を踏んでくれました。
実際に相撲をとったら、本気でかかってくるし、本気で悔しがる。大盛況でした。引退したら海外で相撲を指導したい、という思いが強くなりました。
――「１００ Ｗｏｍｅｎ」に選ばれた心境は。
女子相撲選手の孤独な闘いに焦点をあてていただいてうれしかった。（今さんを追った）２０１８年制作のドキュメンタリー映画「Ｌｉｔｔｌｅ Ｍｉｓｓ Ｓｕｍｏ（邦題・相撲人）」の影響も大きかったのではないかと思います。
――映画では「自分が頑張ることによって、女子相撲が差別を受けることがなくなることを信じて、頑張っています」と話す場面があります。
長く続いてきた男子相撲とある程度の差があるのは仕方ないですが、国際大会でさえ待遇の差があり、「男社会で頑張ってる女子はすごいね」とも言われます。女子相撲にはプロもありません。日本で相撲をしていると、男女差はあるなって思います。
◆ ◆
――大相撲では、土俵に女性が上がることは認められていません。
大相撲界で現在、心から１００％、「女人禁制」を支持している人はほとんどいないのではないかと思っています。競技としてでなければ、たとえば引退後の断髪式で、親方はもちろん、おかみさんや奥さんにまげを切ってほしいという力士もいるのではないでしょうか。合理的な判断が下されてほしいなと思います。
――大相撲に参加したい？
大相撲としては望んでいません。でも、近代スポーツとしてのプロはつくりたい。女子相撲が発展していくには、大相撲への参加ではなく、五輪への参加をめざすことだと思います。相撲の知名度を上げて五輪競技にして、女性もプロとして競技を続けられるようにしたい。世界大会に出るような海外の女子相撲の選手たちは、国やスポンサーから援助を受けています。
三角形にたとえれば、女子相撲の底辺を広げる目標が五輪であり、頂点を上げる強化の目標がプロリーグ化だと思っています。
――大学卒業後は。
ほんとにいろんな支援があって、アイシン精機っていう愛知県刈谷市の自動車部品会社でフルで仕事をします。仕事の後に稽古をします。社会人で世界一になるのは難しいところはあるんですが、それを達成して、若者たちがどんどん後を追いたくなるような環境を作っていけたらな、って思います。
◇ ◇ ◇
こん・ひより １９９７年、青森県生まれ。立命館大国際関係学部４年。身長１６０センチ、体重１００キロ。最近では、２０１８年から２年連続して世界女子相撲選手権大会（無差別級）で準優勝。１９年の国際女子相撲選抜堺大会（重量級）で優勝した。国際相撲連盟のアスリート委員も務める。
"相撲" - Google ニュース
March 12, 2020 at 09:20AM
https://ift.tt/38VWgY0
京都）女子相撲 未踏の道へ 今選手に聞く - 朝日新聞社
"相撲" - Google ニュース
https://ift.tt/2QQL8We
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "京都）女子相撲 未踏の道へ 今選手に聞く - 朝日新聞社"
Post a Comment