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約３万８０００人が参加した昨年の東京マラソンで、一斉にスタートする出場者 |
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◆開催準備 すでに多額経費
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、３月１日の東京マラソンは一般ランナー約３万８０００人の参加を取りやめることになりました。出場を楽しみにしていた参加者は残念な思いをされたことでしょう。今回の決定で波紋を広げたのは、参加料や寄付金を返金しない規約の在り方でした。 （松山義明）
Ｑ どんな規約があった。
Ａ 出場者の募集要項では、エントリー規約第１３項で、コースが通行不能になったり地震が発生したりするなどの条件を示し、「それ以外の大会中止の場合、返金はいたしません」と明記されていました。疫病の流行は返金要件にありませんでした。
Ｑ 東京と並ぶ世界六大マラソンの場合は。
Ａ 返金の対応は大会によって異なります。ロンドンは「戦争やテロ、悪天候など、主催者の不可抗力で中止になった場合は払い戻す」としていますが、ベルリンは「イベント全体がキャンセルされた場合のみ払い戻す」などと限定的です。
Ｑ 返金できない理由は。
Ａ 開催準備のため、すでに多額の運営費が発生しています。長時間にわたり都心の主要道路を止める大イベント。警備や医療救護、コース沿道対策など１年がかりで準備を進めます。開催の２週間前までには発注や手配は終わっているためです。
Ｑ 一般のマラソン参加料は国内１万６２００円、海外１万８２００円と安くない。実際の運営費はどれくらい。
Ａ ２０１８年を例に挙げると、周辺イベントを除いた運営総額は約１９億７０００万円。ランナー１人当たり約５万４８００円の計算です。これを経費別に分けると、計測チップの作製やレース中の給食物品購入などの競技・大会運営費が１万６９７０円。更衣テントや交通規制機材などの設営関係費は１万３８２０円、沿道警備員の確保や監視カメラの設置など警備・安全対策費は１万３３６０円などとなっています。参加料と運営費の差額は協賛金や東京都の補助金などで補っています。
Ｑ 主催者側は２０年から参加料返金保険に加入すると約束していた。
Ａ 国内大手と契約していましたが、今回のような疫病の感染拡大は保険の適用外でした。
Ｑ ここ最近で中止になった事例はあるのか。
Ａ １７年１０月の横浜（エントリー数約２万８０００人）、１８年１０月の札幌（同約１万４０００人）が、ともに台風の影響で中止になりました。参加料の返金は規約通り、ありませんでした。
Ｑ 今後はどうなりそう。
Ａ ３月８日の名古屋ウィメンズは新型コロナウイルスによる感染拡大を受け、専用のスマートフォンアプリを使うことで場所を選ばず、どこにいても参加できる「オンラインマラソン」を新たに用意しました。同様の試みは世界六大マラソンの一つ、ニューヨークシティーなどでも行われています。気象の影響も受けないことから、危機管理の面からも多様なマラソンの在り方が広まるかもしれません。
◆中国在住者も参加費徴収
東京マラソンの主催者は２０日、ことしの大会の出場権があった中国在住のランナーも来年の大会にエントリーする場合、参加費を徴収すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国からの参加自粛を促す狙いで、当初は無償で出場権を与えるとしていた。その後、一般ランナー抜きでの実施が決まったことで対応を改め、来年は一般の参加者全員が参加料を支払う。
主催する東京マラソン財団は公式サイト上で「これまでの案内を変更することについて深くおわびする」としている。
◆エントリー規約第１３項
積雪、大雨による増水、強風による建物等の損壊の発生、落雷や竜巻、コース周辺の建物から火災発生等によりコースが通行不能になった結果の中止の場合、関係当局より中止要請を受けた場合、日本国内における地震による中止の場合、Ｊアラート発令による中止の場合（戦争・テロを除く）は、参加料のみ返金いたします。なお、それ以外の大会中止の場合、返金はいたしません。
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February 21, 2020 at 05:23AM
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東京マラソン 一般枠中止 参加料返金なし なぜ:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞
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