オリンピック代表切符は誰の手に 東京マラソン有力選手を紹介 - 毎日新聞 - 毎日新聞

　東京オリンピック男子マラソン代表選考会を兼ねた東京マラソン（3月1日）に出場する日本人の有力選手を紹介する。

日本記録保持者の大迫傑。自らの記録を超えれば東京五輪代表が近づく＝東京都内で2019年9月15日午前10時48分（代表撮影）

フォロワー14万超 大迫傑

　おおさこ・すぐる。ナイキ所属。東京都出身。長野・佐久長聖高、早稲田大を経て、実業団の日清食品グループに入ったが、1年で退社してプロランナーに転向。米国を拠点に練習を続ける。初マラソンとなった2017年4月のボストンで3位に入ると、18年10月のシカゴで2時間5分50秒の日本記録をマークした。16年リオデジャネイロ五輪は5000メートルと1万メートルに出場。3000メートルと5000メートルの日本記録も持つ。ツイッターのフォロワー数は14万人超と陸上界屈指の発信力を誇り、陸上界への提言や辛口な日本陸連批判についても投稿する。28歳。

MGCで力走する設楽悠太＝東京都内で2019年9月15日午前10時47分（代表撮影）

周囲の評は「宇宙人」 設楽悠太

　したら・ゆうた。Honda所属。埼玉県出身。東洋大時代は双子の兄啓太（日立物流）とともに2度の箱根駅伝総合優勝に貢献した。実業団ではHondaのエースとして、全日本実業団対抗駅伝で最長4区の区間賞3回。2015年の世界選手権と16年のリオデジャネイロ五輪は1万メートルで出場した。17年からマラソンに転向し、18年2月の東京で16年ぶりに日本記録を塗り替える2時間6分11秒をマーク。スナック菓子が好きだが、レース前は自粛する。東京マラソン前には「2時間4分台でなければ五輪代表辞退」など予想外の発言が多く、周囲の評は「宇宙人」。28歳。

MGC「最下位」からの巻き返しを図る井上大仁（中央）＝北九州市若松区で2019年11月4日、徳野仁子撮影

趣味は折り紙 井上大仁

　いのうえ・ひろと。MHPS所属。長崎県出身。中学1年から練習を兼ねて父親の新聞配達を手伝い、走って配って脚力を養った。長崎・鎮西学院高、山梨学院大を経て、地元・長崎を拠点とするMHPSへ。2017年東京で2時間8分22秒をマークして頭角を現した。同年の世界選手権ロンドン大会は26位。18年は東京で2時間6分54秒の記録を出し、夏のジャカルタ・アジア大会では日本勢32年ぶりの金メダルを獲得。趣味が折り紙という手先の器用さを生かし、ユニホームにいくつか小さな穴を開け、高温多湿の気候に対応した。MGC27位からの巻き返しを図る。27歳。

MGCで力走するマツダの山本憲二（手前）＝東京都港区で2019年9月15日、梅村直承撮影

トレードマークは長髪 山本憲二

　やまもと・けんじ。マツダ所属。広島県出身。石川・遊学館高から進学した東洋大では、箱根駅伝総合優勝に貢献した。同期に「2代目・山の神」と呼ばれた柏原竜二がいる。マラソンは2018年東京で2時間8分48秒、19年びわ湖毎日で2時間8分42秒と高いレベルで安定した成績を残している。19年9月のMGCは16位。トレードマークの長髪は、練習続きでなかなか家族と会えなかったため、家族と一緒に過ごす時間を優先して髪を切らなかったのが始まりだという。30歳。

トラックのスピードに定評のある村山謙太＝ヤンマースタジアム長居で2019年9月21日、幾島健太郎撮影

妻も双子の姉 村山謙太

　むらやま・けんた。旭化成所属。宮城県出身。宮城・明成高を経て、駒大では箱根駅伝などで活躍した。2015年世界選手権1万メートル代表。今年の元日に行われた全日本実業団対抗駅伝では旭化成の4連覇に貢献した。マラソンでは19年のベルリンで自己ベストの2時間8分56秒をマーク。MGCは出場しなかった。双子の弟は男子1万メートル日本記録保持者の村山紘太（旭化成）。18年に婚姻届を出した妻も双子の姉で、元実業団ランナーだった。27歳。

各年代で国内トップレベルの走りを見せてきた佐藤悠基。持ち前のスピードをマラソンに生かせるか＝埼玉県深谷市で2018年11月3日、武市公孝撮影

箱根3年連続区間新 佐藤悠基

　さとう・ゆうき。日清食品グループ所属。静岡県出身。長野・佐久長聖高から東海大に進んだ。トラック種目で中学、高校記録を塗り替えた卓越したスピードを生かし、箱根駅伝では3年連続で区間新記録を樹立した。日本選手権は1万メートルで2011年から4連覇。11、13年の世界選手権と12年ロンドン五輪はトラック種目で出場。マラソンの自己ベストは18年東京で出した2時間8分58秒。19年9月のMGCは23位だった。33歳。

昨年の東京マラソンでフィニッシュする神野大地。「山の神」の実力を発揮するか＝東京都千代田区で2019年3月3日午前11時21分、宮武祐希撮影

3代目・山の神 神野大地

　かみの・だいち。セルソース所属。愛知県出身。青学大3年だった2015年に箱根駅伝の山上りの5区で驚異的な区間新記録を出し、今井正人や柏原竜二に続く「3代目・山の神」と呼ばれた。約2年間所属した実業団のコニカミノルタを18年春に退社。プロ宣言したものの、半年はスポンサーが見つからなかった。プロ転向後はケニアで長期合宿を繰り返して力をつけ、19年末のアジアマラソン選手権でフルマラソン初優勝を果たした。26歳。

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March 01, 2020 at 06:00AM
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