2020年01月03日12時23分
東京五輪イヤー。2000年シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん(47)は、思い入れの強いスポーツの祭典が自国で開幕する7月24日を待ち焦がれている。「多くの人の人生が変わる瞬間を共有でき、それを見た子供たちの夢が育っていくのがすごく楽しみ」。笑顔でそう話す。
◇夢舞台を身近に
自分の人生も五輪が一大転機となった。42・195キロの戦いで海外のライバルとしのぎを削り、世界を身近に感じた。「人種、年齢、性別、障害など関係なく、みんなが心一つになる」。日本女子陸上界の悲願だった五輪金メダルの栄光から20年。五輪を通して出会った人々との絆には日々、感謝している。「メダル(の記憶)はセピア色に変わっていくけれども、人とのつながりはずっと続く。それが一番の財産」
あらゆる競技で世界トップ選手のパフォーマンスを、日本国内で見られる貴重な機会が訪れる。新たなスターの誕生や、空手やサーフィンなどの新競技にも注目が集まりそうだ。「夢のように遠く感じていた舞台を目の前で見ることによって、『自分にも手が届くかもしれない』と現実として捉えられる場になると思う」。競技会場で観戦したり、ボランティアとして携わったりして五輪に触れてほしいと願う。
◇後輩の奮闘に期待
日本選手は大きな期待と重圧を背負い、大舞台に立つ。「本番はプレッシャーで(力が)そぎ落とされ、100%の状態で立つことは難しい。70%の力でどれだけ戦えるかが大事になる」。自らの経験を踏まえ、「五輪までの一日一日を大切にして、後悔のない納得できる大会にしてほしい。経験はすべて今後につながっていく」とエールを送る。
高橋さんが専門のマラソンは、開幕まで1年を切ったタイミングで札幌開催に変更された。「なぜ今なのか、という思いはあった」と素直な心境を明かすが、酷暑を避けて決定されたことから「万が一のことがあって、東京五輪に負のイメージを持たれることがあってはいけない」と理解を示す。日本勢の表彰台は04年アテネ金メダルの野口みずきを最後に遠ざかっている。「厳しい戦いだけど、可能性は十分にある。最後まで勝負に絡んでほしい」。後輩の奮闘を期待する。
東京五輪は未来へ何を残せるのか。8月には五輪に続いてパラリンピックが行われる。「一番のレガシー(遺産)は『心の変化』だと思う。個性を尊重し、困っている人がいれば声をかけて支え合う。心のバリアフリーが進む契機になれば」。世界中の人と感動を分かち合い、共生社会実現に向けた一歩へ。意義深い大会となるように、高橋さんは願いを込める。
◇高橋尚子さん略歴
高橋 尚子(たかはし・なおこ)県岐阜商高、大阪学院大出。女子マラソンで98年バンコク・アジア大会金メダル。00年シドニー五輪は日本の女子陸上選手として史上初の金メダルを獲得し、国民栄誉賞を受賞。01年ベルリンでは女子で史上初めて2時間20分の壁を破る2時間19分46秒の世界最高記録(当時)を樹立。08年に現役引退を表明。東京五輪・パラリンピック組織委員会のアスリート委員長、日本オリンピック委員会理事、日本陸連理事を務める。47歳。
"マラソン" - Google ニュース
January 03, 2020 at 10:23AM
https://ift.tt/2tprBTP
東京五輪、夢育む祭典に 「心のバリアフリー」を―マラソン金の高橋尚子さん - 時事通信ニュース
"マラソン" - Google ニュース
https://ift.tt/2RhYbAN
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "東京五輪、夢育む祭典に 「心のバリアフリー」を―マラソン金の高橋尚子さん - 時事通信ニュース"
Post a Comment